第71回 平成5年2月1日(月)
 
演題  遺伝子工学を応用した産業用酵素の開発と生産
   上島孝之(ノボノルディクス バイオインダストリー主任研究員)
 
 組換えDNA技術を応用した最初の成功例はインスリンであり、ペニシリンの発見と共に科学技術の歴史に残るものである。その後、医学的に有用なタンパク質ばかりでなく、各種の酵素タン悪質が遺伝子工学応用のターゲットとなってきた。さらに遺伝子工学の急速な進歩とタンパク質工学の台頭によって、利用目的に合った改変酵素を大量に生産することが可能となって来ている。
 一方、酵素の利用方面をみると、最近は医薬の領域ばかりでなく、食品加工、繊維加工、洗剤、製紙工程、廃液処理等、広く工業的、産業的に利用されている。特に最近は、セルラーゼの繊維加工への利用、リパーゼによるパルプのピッチトラブルの除去等、新しい用途の開発が注目されている。
 ここでは、プロテアーゼとリパーゼをとりあげ、これらの酵素について遺伝子工学とタンパク質工学の技術を駆使して得られた酵素改変と改良の研究成果をわかりやすく解説されます。またさらに、これら酵素の産業利用について、興味深い最新のトピックスをも述べられます。

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