公開日 2017年05月19日
カルシウム感知受容体(CaSR)は血液や細胞外液中のカルシウムを感知するセンサー分子であり、生体内のカルシウムバランスを制御する。CaSRはGタンパク質共役型受容体(クラスC)に属し、嗅覚受容体や代謝型グルタミン酸受容体と同じ祖先分子から生じた。コドン使用頻度の解析から、CaSRの基本構造が、強い負の選択圧によって進化的に保存されてきたことがわかっている。しかし同時に、分子構造の多様化を促す正の選択圧があったことも示唆されており、脊椎動物CaSRのタンパク質配列や立体構造には分類群ごとに明らかな違いが見られる。こうした変異とそれに伴うCaSRの機能活性の変化は、各分類群の生態・生活史と関係しているのかもしれない。さらにCaSRは骨格形成においても極めて重要な役割を担うため、脊椎動物の最大の特徴である“骨”の出現にも関与した可能性がある。
本講演では、特に魚類での研究に焦点を当て、脊椎動物におけるCaSRの機能と進化について紹介する。(以上、和訳及び一部補筆:山口)
本講演では、特に魚類での研究に焦点を当て、脊椎動物におけるCaSRの機能と進化について紹介する。(以上、和訳及び一部補筆:山口)