公開日 2023年02月24日
第265回 遺伝子機能解析部門セミナー
(第389回 細胞工学研究会講演会)
日時:2023年3月7日(火)14時〜15時
場所:島根大学生物資源科学部1号館101教室
演題:イネをモデルにした単子葉植物胚のパターニング
演者:佐藤 豊 氏(情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所 植物遺伝研究室)
細胞、組織、器官、個体レベルで観察される非対称性の確立と維持は多細胞生物発生の基盤をなす過程である。シロイヌナズナのような双子葉植物の胚は2枚の子葉を、茎頂分裂組織を挟んで対称に配置するが、イネのような単子葉植物の胚は、1枚の子葉とその向軸側に茎頂分裂組織を形成する。単子葉植物は2枚の子葉をもつ双子葉植物を起源とすることが知られていることから、1枚の子葉に変化する過程で非対称性が生み出されている。単子葉植物の胚に固有に見られる非対称性の確立と維持は、単子葉植物進化のもっとも根本的な過程だが、その分子基盤は明らかにされていない。
私たちの研究室では、イネの体軸形成に関わる分子基盤をさまざまな胚形成突然変異系統を用いた解析をしている。この過程で、イネ胚における茎頂分裂組織が形成される側を腹側、子葉に該当する胚盤が形成される側を背側とした時に定義される単子葉植物に特有な背腹軸に異常をきたす突然変異体を発見した。この変異系統を用いて、イネをモデルとした単子葉植物に特有の体制の分子基盤の解明に取り組んだ。このセミナーでは、イネをモデルとした単子葉植物胚のパターニングに関する最近の研究結果を紹介する。
第266回 遺伝子機能解析部門セミナー
(第390回 細胞工学研究会講演会)
日時:2023年3月7日(火)15時〜16時(第265回の後)
場所:島根大学生物資源科学部1号館101教室
演題:野生イネのゲノム解析から見えてくる野生種から栽培種への進化
演者:佐藤 豊 氏(情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所 植物遺伝研究室)
作物の野生祖先種は、耐病性やストレス耐性を付与する作物育種に必要な新たな対立遺伝子プールとしての役割が期待されており、貴重な遺伝資源である。国立遺伝学研究所では、1950年代から世界各国の野生イネ自生地から採取された野生イネ遺伝資源の保存と配布事業を続けている。栽培系統を保存する遺伝資源センターは世界中に数多く存在するが、野生イネ遺伝資源を体系的に収集保存している機関は世界的に見ても、IRRIと国立遺伝学研究所以外にはほとんどない。
私たちのグループは、文部科学省ナショナルバイオリソースプロジェクトのサポートにより、野生イネ遺伝資源の保存と配布事業をおこなっている。また、保有する野生イネ遺伝資源のゲノム解読やさまざまな形質情報の取得と公開も進めている。これにより、多くの研究者が野生イネ遺伝資源に興味を持ち遺伝資源が有効利用されることを期待している。
本発表では、国立遺伝学研究所が保有する野生イネ遺伝資源の特徴とともに約1万年のイネ栽培化プロセスに関する幾つかの説を最近のゲノム解析結果を交えて紹介する。また、最近私たちの研究グループで取り組んでいる作物野生祖先種を利用するための新たな方策に関しても紹介する。
(第389回 細胞工学研究会講演会)
日時:2023年3月7日(火)14時〜15時
場所:島根大学生物資源科学部1号館101教室
演題:イネをモデルにした単子葉植物胚のパターニング
演者:佐藤 豊 氏(情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所 植物遺伝研究室)
細胞、組織、器官、個体レベルで観察される非対称性の確立と維持は多細胞生物発生の基盤をなす過程である。シロイヌナズナのような双子葉植物の胚は2枚の子葉を、茎頂分裂組織を挟んで対称に配置するが、イネのような単子葉植物の胚は、1枚の子葉とその向軸側に茎頂分裂組織を形成する。単子葉植物は2枚の子葉をもつ双子葉植物を起源とすることが知られていることから、1枚の子葉に変化する過程で非対称性が生み出されている。単子葉植物の胚に固有に見られる非対称性の確立と維持は、単子葉植物進化のもっとも根本的な過程だが、その分子基盤は明らかにされていない。
私たちの研究室では、イネの体軸形成に関わる分子基盤をさまざまな胚形成突然変異系統を用いた解析をしている。この過程で、イネ胚における茎頂分裂組織が形成される側を腹側、子葉に該当する胚盤が形成される側を背側とした時に定義される単子葉植物に特有な背腹軸に異常をきたす突然変異体を発見した。この変異系統を用いて、イネをモデルとした単子葉植物に特有の体制の分子基盤の解明に取り組んだ。このセミナーでは、イネをモデルとした単子葉植物胚のパターニングに関する最近の研究結果を紹介する。
第266回 遺伝子機能解析部門セミナー
(第390回 細胞工学研究会講演会)
日時:2023年3月7日(火)15時〜16時(第265回の後)
場所:島根大学生物資源科学部1号館101教室
演題:野生イネのゲノム解析から見えてくる野生種から栽培種への進化
演者:佐藤 豊 氏(情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所 植物遺伝研究室)
作物の野生祖先種は、耐病性やストレス耐性を付与する作物育種に必要な新たな対立遺伝子プールとしての役割が期待されており、貴重な遺伝資源である。国立遺伝学研究所では、1950年代から世界各国の野生イネ自生地から採取された野生イネ遺伝資源の保存と配布事業を続けている。栽培系統を保存する遺伝資源センターは世界中に数多く存在するが、野生イネ遺伝資源を体系的に収集保存している機関は世界的に見ても、IRRIと国立遺伝学研究所以外にはほとんどない。
私たちのグループは、文部科学省ナショナルバイオリソースプロジェクトのサポートにより、野生イネ遺伝資源の保存と配布事業をおこなっている。また、保有する野生イネ遺伝資源のゲノム解読やさまざまな形質情報の取得と公開も進めている。これにより、多くの研究者が野生イネ遺伝資源に興味を持ち遺伝資源が有効利用されることを期待している。
本発表では、国立遺伝学研究所が保有する野生イネ遺伝資源の特徴とともに約1万年のイネ栽培化プロセスに関する幾つかの説を最近のゲノム解析結果を交えて紹介する。また、最近私たちの研究グループで取り組んでいる作物野生祖先種を利用するための新たな方策に関しても紹介する。